先週の26日のことであるが
地元に雹が降った。
その日はすごく暑くて、暑さに弱い私は、「冷えピタ」を背中に貼って
仕事に臨んだのであるが、冷えピタがほとんど役に立たないほど
暑かった。
午後から、少し雨が降ったと思ったら、郊外では雹(ひょう)が降ったらしく
たまねぎ畑を直撃して、葉を折ってしまったらしい。
そのたまねぎの葉の香りが、15キロ離れた市内中心街まで
たまねぎの風となってやってきた。
最初、たまねぎの香りを感じたとき、私は、自分が流した汗が匂ってきたのでは
ないか?とビビッたのだが
誰かが「たまねぎのニオイだ」と言い出し
階下の食堂が「たまねぎの料理をしているのでは」という話で
おちついた。
全国ニュースを見なければ、ずっとそう思っていたはずだ。
私の住んでいる市は昔、薄荷で世界市場を席巻したが
現在の主力は、たまねぎ、じゃがいも、ビートである。
今は薄荷の生産は、記念館で少しだけだ。
たまねぎは、ある程度育っていたのに。
農家の人も「こんなのは初めて」と呆然としていたが
天候に左右されるのが、農業のつらいところである。
しかし、最近、「ここに何十年も暮らしているけど
初めて」と語られる異変が多い気がする。
こんなに、科学が発達しているように見えても
雨も降らせることもできないし、山火事を一発で消せるものもない。
兵器は開発が進むが、天気や自然の前に人類は非力である。
地球にやさしく、と思いつつも、不便な生活に戻れるかと尋ねられれば
答えに詰まる。
もうこれくらいで充分です、という気持ちが必要なのかもしれない。